どんなしつけ方法?(Q&A)
”陽性強化”という言葉、聞いたことがあるでしょうか?
最近、テレビや愛犬雑誌などでよく見かける「家庭犬のためのしつけ」「褒めるしつけ」が”陽性強化”です。
このしつけは、「良いところを褒めて伸ばす」という方法です。
もっと詳しく言うと、「正解の行動をしたときに褒めて、その行動を定着させる」方法です。
たとえば、”オスワリ”を教えたいとき。
今までは、人間がワンコのお尻をぐいっと押さえてオスワリの形をさせて
「これが”オスワリ”だよ」
と教えてきた人が多いと思います。
大抵のワンちゃんは、それで「オスワリの形」は覚えます。
「”オスワリ”と言われたら、こうやってお尻をつければいいんだな」と…。
でも・・・それだけです。
飼い主から言われなければ、また、ご飯やおやつを貰いたいときにしかその行動はでません。
陽性強化のしつけでは、犬に”形”を教えるのではなく、ワンちゃんが自ら行った行動にご褒美を与えます。

どれだけヤンチャなわんこでも、ずーーーっと立ちっぱなしではないですね。
疲れたら、遊びに飽きたら、どっこいしょと腰をおろすときがあります。
その瞬間に「おりこう!」と褒めて、ご褒美を与えます。
そうするとわんちゃんは、「腰をおろせば、褒めてもらえる!」ということに気付いて、自分からその行動をするようになります。
教室のなかでは、さすがにワンちゃんが自ら座るのを待つのは大変なので(待つこともあります)、『誘導』という方法で、自分から座るようにもっていきます。
それを褒めながら「オスワリ」という号令(コマンド)を言うことで”オスワリ”を覚えます。
そうやって、自分から気付いたこと・覚えたこと、というのは忘れにくいということが研究で分かっています。
また、ご褒美をもらうと、ワンちゃんの脳内には、快感を感じる神経伝達物質が分泌されます。
ご褒美と同時に「おりこう!」「グッド!」などの褒め言葉をかけることで、褒め言葉だけでワンちゃんは幸せを感じるようになります。
すると、ワンちゃんは褒められると楽しくなり、やる気がでてきますので、
「どうすれば褒められるんだろう?」と考え始めます。
そこで適切に褒めてあげることで、愛犬が飼い主さんの望む行動をしやすなるのです。
「褒める」という行為は、褒められる側も気持ち良いですが、褒める側も気分が良いものです。
愛犬の良いところをしっかり褒めながら、楽しくしつけをしていくのが「陽性強化」のしつけ法なのです。
具体的な目標は、こちら(各クラスのご案内)をご覧下さい。
基本的には「スワレ・フセ・マテ・オイデ」が、どんな状況でもできる、ということを目指して練習していきます。
この4つは簡単そうにみえますが、どんな状況でも、完璧にできるようになるのは難しいもので。
愛犬が飼い主さんを信頼し、飼い主さんが大好きで、飼い主さんと行動することが1番の楽しみ、にならないとできません。
この4つのコマンド(号令)が完璧にできるように練習することで、同時に”吠える”、”引っ張る”、”飛びつく”、”言う事を聞かない”、”わがまま”といった問題行動を起こさないワンコにしつけていくことができるのです。
犬は、「どうすれば自分が快適に生きられるか」を常に考えている動物です。
愛犬が”吠える”、”言う事を聞かない”、”わがまま”、”噛みつく”といった問題行動をする、ということは、必ず飼い主さんの接し方に原因があります。
「吠えたら、お母さんが声をかけてくれた(叱る声でも)」
「引っ張ったら、好きなところに行けた」
「キュンキュン鳴いたら、おやつをくれた」
「噛みついたら、イヤなことをやめてくれた」
これでは、犬が吠えたり噛んだりするようになるのも当然だと思いませんか?
しかも、よく見てみると前半は犬の行為ですが、後半は飼い主さんの行為です。後半を変えるだけで、犬の行動は変わってきます。
「吠えたら、無視された」
↓
「面白くないので吠え止んだら、誉められた」
↓
「吠えないほうがいいのかなーと静かにしていたら、さらに誉められた」
↓
「静かにしていたほうが、得になる!」
「引っ張ったら、飼い主が動かなくなってどこにも行けない」
↓
「飼い主の隣に行ったら動いてくれた」
↓
「また引っ張ったら、飼い主が動かなくなった」
↓
「飼い主と歩調を合わせれば、お散歩に行ける!」
こんなふうに、飼い主が行動を変えるだけで、ワンちゃんはどんどん変わっていきます。
年齢が上がるとガンコにはなりますが、自分の得にならないことをいつまでもやっていても意味がない、というのは何歳になっても理解できます。
だから、しつけに年齢制限もありません。
飼い主さんが接し方を変えれば、ワンちゃんはどんどん変わります。
これからワンちゃんを飼い始める方は、素直に伸び伸びと成長するために。
今、なにかしら問題行動をするワンコは、その問題行動を解決するために。
飼い主さんご自身が変わる覚悟を持てば、解決しない問題はほとんどないと、あにまるわいやーどは考えます。
陽性強化(ほめるしつけ)に年齢制限はありません!
こちらにも書いていますが、犬は、基本的に「自分の得にならないこと」はしません。
今、なにかしら問題行動があるということは、その問題行動をすることで、ワンちゃんには『得なこと』が起こっているハズです。
たとえば……
「ワンワン吠えた」
↓
「飼い主さんが”うるさい!”と声をかけてくれた」<得なこと>
(ワンちゃんにとって、カン高い声や飼い主さんの興奮した声はご褒美です)
「ブラッシングがイヤだから、ブラシを持つ手を噛んだ」
↓
「ブラッシングをやめてくれた」<得なこと>
ワンワン吠えても、噛んでも、<得なこと><良いこと>が起こらない、もしくは、それをすると<損なこと><イヤなこと>が起こる、ということが分かれば、ワンちゃんは、そんな無駄な行動はしないようになります。
犬は習慣の動物なので、習慣になっていること、1度覚えこんでしまったことを変えるには、それなりの時間がかかります。
また、犬も人間と同じで、年をとるとガンコになります。
だから、年齢が上がると、行動を変えるまでの時間は、確かに長くなります。
でも、ちゃんと「得じゃない」こと分かれば、行動する意味がなくなるので、その行動をしなくなります。
飼い主さんが行動(反応)を変えて、根気良く続けることができれば、ワンちゃんは何歳になっても、行動を変えられます。
今、愛犬の問題行動に悩んでいる飼い主さん!
わんちゃんと一緒に楽しく暮らすために、諦めずに一緒にがんばりましょう♪
犬のしつけ方というと、世の中にはいろいろな方法があります。
本もたくさん出ていますが、トレーナー(訓練士)さんによって言っていることが微妙に違ったりして、混乱される飼い主様も多いようです。
どうしてそのような違いが生まれてしまうかというと、それは、しつける人(飼い主)・しつけられる犬にも様々なタイプがあって、ワンちゃん・飼い主さんによって”合う”・”合わない”があるからです。
このワンちゃんと飼い主さんには、この方法が合うけど、同じ方法が別の飼い主さん・ワンちゃんに合うとは限りません。
本には、その作者のトレーナー(訓練士)さんが得意な方法を書いています。
作者さんも、ホンネでは「楽天家のワンちゃんならこの方法でいいけど、繊細なコには、こっちの方法がいいんだけど…ページ数が限られてて書けない!」なんていうこともあるかもしれません。
作者さんは、それぞれの頭の中で、それぞれの得意なタイプのワンちゃんに向けたしつけ法を書いているので、読む側は「いろいろありすぎて分からない!」という状態になってしまうのかもしれません。
飼い主様の目的は「ワンちゃんと楽しく生活できるように愛犬をしつけたい」ということでしょうから、方法にこだわらず、いろいろ試されて、ご自分と愛犬に合う方法を見つけて頂けたらと思います。
そのためには、本に書いてあることを1つ1つ実践していっても良いのですが、合わない方法を長期間試すことで、問題が悪化してしまうケースも見受けられます。
オススメは、実績のあるプロのトレーナーさんに直接習うことです。
プロのトレーナーさんは、自分の得意な方法、というのはモチロンお持ちですが、それ以外の方法もちゃんと知っています。
本当に腕のいいプロのトレーナーさんは、まずは自分の得意な方法のしつけを教えますが、それが合わないようなら、別の方法を飼い主さんと一緒に考えます。
というか、最初のカウンセリングやお悩みの聞き取りのときに、そのワンちゃんと飼い主さんに合う方法を見当つけてからレッスンをします。(それが合わなければ、別の方法…という感じで繰り返します)
本を読んでアレコレ試行錯誤するより、プロの手を借りて、ご自分と愛犬に”合う”方法を見つけるのが、しつけの近道です。
そのためには、トレーナーの指導を素直に受け入れ、しっかり実践&練習する、ということが必要ですが…
(それは、本で勉強してしつける場合も同じですよね)
最近、犬の脳科学の分野で、「犬の脳は『叱られている』『褒められている』ということは理解できない、ということが分かったそうです。
「何度叱っても言うことをきかない」
「叱っても叱っても、同じ失敗をする」
という飼い主さんがいらっしゃいますが、それもそのはず。
ワンちゃんは、『叱られている』ということが分かっていないのです。
でも、『叱る』とその行為を止めるケースもありますね。
それはなぜかというと、ワンちゃんが行動するときの判断基準が、
「欲(本能)」 「安全か危険か」 「感情(過去の経験)」
に基づいているからです。
『叱られる』ことで、身の「危険」を感じ、その行動をやめているだけなのです。
でも、犬の脳は『叱られる』『褒められる』の両方を理解できないと言われています。
ということは、『褒める』のも同じように意味のないことなのでしょうか?
Q.陽性強化(ほめるしつけ)ってどんなしつけ?にも書きましたが、「ご褒美をもらう」ことで、ワンちゃんの脳の中では”快感”、”幸せ”を感じる神経伝達物質が分泌されます。
”快感”や”幸せ”は、そのまま身の「安全」に繋がりますし、そのときにかけられた言葉(褒め言葉)は、経験として覚えていますので、褒め言葉を聞くだけで安心し、良い感情が生まれます。
愛犬に「安心感」を与えてしつけることは、ワンちゃんの”脳の構造”に合ったしつけ方法なのです。
こう書くと、陽性強化(褒めるしつけ)は、ワンちゃんのしつけとして理想的と思われるかもしれません。
確かに、叱ってしつける方法は、前述のように
・ワンちゃんが理解できないから意味がない
・恐怖心を植えつけるため、しつけに失敗すると問題行動が出やすい
(人間を極度に怖がったり、攻撃的になったりする)
という短所があるので、当店ではあまりオススメできません。

でも、陽性強化(褒めるしつけ)にも短所はあります。
ワンちゃんは、褒められると嬉しいので、褒めてもらおうといろんなことをします。
覚えたてのオスワリやフセ、飼い主さんにチョイチョイと手で催促したり…
飼い主さんは、それを「褒めなくちゃ!」と思って、褒めたり、ご褒美をあげたりしてしまいます。
それが失敗です。
外出先やほかの人・犬がいる状況で、犬が落ち着くために自らオスワリやフセをした場合は、望ましい行動をしているのでご褒美を与えます。
でも、家にいるときに、明らかにご褒美(食べ物や飼い主さんの関心)が欲しくてオスワリやフセをしたり、吠えたりして要求してくることは、無視しましょう、というふうにお伝えしています。
そこをカンチガイして、いつも褒めたりご褒美を与えたりしていると、犬は、「飼い主に要求したら、かなう」と思ってしまいます。
これでワガママ犬のできあがりです。
「褒めるしつけ」でも、”褒めるタイミング”を間違うと、しつけに失敗してしまいます。
また、「褒めなくちゃ!」という気持ちが優先してしまい、飼い主さんがいつもいつも愛犬を気にかける、愛犬に声をかける傾向が強くなります。
犬の習性として、”群の中では、順位が下の者が上のものを気遣う”というルールがあります。
飼い主が愛犬のことをいつもいつも気にかける、いつも愛犬に声をかける、ということは、犬界のルールでは、飼い主のほうが順位が下がってしまいます。
群の中で、飼い主の順位が下がってしまうと、犬は飼い主を信頼できなくなります。自分で自分を守らなくてはならなくなるので、前述した行動基準の「危険」が増してしまうのです。
そうすると、「危険」に対する防衛行動=吠える・噛む、といった問題行動が出てくる可能性があります。
しかも、いつもいつも愛犬に声をかけていると、愛犬はそれを聞き飽きてしまい、肝心のコマンド(号令)や自分の名前を呼ばれることさえ、「うっとおしい」と感じてしまうようになります。
想像してください。自分が子どもの頃、親に
「早く宿題しなさい、好き嫌いせずご飯食べなさい、ほらもうお風呂入りなさい、さっさと寝なさい…」
そうやって延々と言われ続けたこと、全部耳に入っていますか?
途中から、右から左に聞き流していませんでした?
当店のレッスンでは、「コマンド(号令)は1回だけ」「名前を呼ぶのも1回だけ」「必要以上に声をかけない」というふうにお伝えしています。
それは、犬がコマンド(号令)や名前を呼ばれることが飽きないように、いえ、それが『嬉しい!』と感じてもらえるようにするために、とても大事なことだからです。
室内で一緒に暮らしていると、どうしても飼い主さんは愛犬に声をかけすぎたり、愛犬を目で追ってしまったりしてしまいがちです。
が、愛犬の信頼を得るには、愛犬のほうから飼い主を気にかけさせる、愛犬のほうから飼い主に目線を合わさせることが必要なのです。
愛犬から信頼してもらえる飼い主になる方法は、レッスンと宿題をこなしていくうちに自然と身に付くようになっています。
そのためには、飼い主さんが”自己流”でいろいろ解釈して練習するのではなく、トレーナー(訓練士)からのアドバイスや課題を、素直に受け入れ、実践していくことが大事です。
『褒める』ということで、愛犬を甘やかしてしまいがちになる飼い主さんが多いのですが、陽性強化は、決して甘やかすしつけではありません。
犬の習性を理解して、犬にべったり依存するのではなく適度な距離感を持って、「無視するときは無視する」ということがキチンとできれば、褒めるしつけで失敗することはほとんどありません。
ワンちゃんのしつけと健康には、とっても密接なつながりがあります。
人間と同じように、犬も精神的なストレスがたまると、体にとても悪い影響をおよぼします。
ペットのアレルギー・アトピー・内臓疾患なども、ストレスが原因の1つであることが分かってきています。
「吠える」「噛む」「怖がる」など、過度に興奮したり怖がったりしている状態のときは、アドレナリンという興奮物質が大量に分泌されます。一旦分泌されたアドレナリンは、1週間ほど体内に残ると言われています。
アドレナリンが残った状態で、また興奮や恐怖を感じると、さらに多くのアドレナリンが分泌されます。
そうすると、興奮がおさまっても、次にまた刺激を感じると、今度は前よりも多くのアドレナリンが一気に分泌されるようになってしまうのです。
興奮しやすい子、怖がりな子は、こうやって、どんどんアドレナリンの分泌量が多くなってしまいます。
アドレナリンが分泌されると、「交感神経」というストレスをコントロールする神経が刺激されます。
「交感神経」が刺激されると、呼吸が浅く早くなり、血圧が上がり、内臓の働きが悪くなります。
そんな状態が長く続くと、健康に悪影響が出るというのはご想像頂けると思います。
では、愛犬のストレスの原因とはなんでしょう?
人なら人間関係の悩みや将来の不安など、ストレスの原因はいろいろと想像できますが…。
ストレスの原因は、その子その子によってさまざまですが、基本的に「何事にも動じない子」「精神的に安定している子」「過度に興奮したり怖がったりしない子」というのは、あまりストレスをためないようです。
動物病院の建物に入る前からブルブル震えたり、足をつっぱって中に入らないようふんばる子と、注射をされても「アレ?今なんかチクっとした?えへへ~、先生好き~♪」と尻尾をフリフリしている子とでは、どちらがストレスがたまらないでしょうか?
愛犬をストレスがたまりにくい子にしてあげる方法は、飼い主さんによる『しつけ』が重要なポイントになります。
* 愛犬にたくさんのことを経験させてあげる(嬉しいことと関連付ける)
* 犬の習性と愛犬の性格を理解して、適切な行動に導いてあげる
* 飼い主を信頼することで、不安を感じさせないようにしてあげる
こういったことができる飼い主さんとできない飼い主さんでは、ワンちゃんのストレスの度合いが全く違ってきます。
「しつけをしたら健康になる」とは言えないかもしれませんが、しつけは、単にペットを飼いやすくすることではなく、ペットの健康を左右するとても大事な要素の1つだということは確実に言えます。
当店では、ワンちゃんの精神的な安定を最優先にしつけに取り組んでいます。
そのために「ほめること」「飼い主との信頼関係を築くこと」を最優先する『陽性強化』のしつけ方法を取り入れているのです。
愛犬をお預かりして訓練する場合、訓練をするとき、リード(引き綱)を握っているのは誰でしょうか?
トレーナー(訓練士)さんですね。
トレーナーさんが上手に訓練することで、犬は、確かにトレーナーさんのハンドリング(扱い)には従うようになります。
でも、犬は、経験と環境をセットにして覚える動物です。
トレーナーさんがリードを持ち、トレーナーさんの声でコマンド(号令)が出されたら、それまでの訓練の成果として
「従わなければ!」
という気持ちになります。
これが、おうちに戻って、ご家族がリードを持ち、コマンドをかけたとしたら…
愛犬は、最初は
「これ、『スワレ』のコマンドだ!従わなきゃ!!」
と思って、すぐにスワレをするでしょう。
でも、時間がたって、”コマンドに従わなくても許された”、”コマンドやハンドリングのタイミングが悪い”、といったことが続けば、犬は
「お父さんやお母さんのコマンドには従わなくていいんだ~♪」
となってしまいます。
これでは、訓練所に預けた数ヶ月がムダですね。
犬のしつけは、普段、リードを持つ人=ご家族が、愛犬と一緒にやらなくては意味がありません。
普段過ごすのは、そのご家庭だし、いつも一緒にいるのは、そのご家族なんですから。
このような理由から、当店では預かり訓練というものはやっておりません。
もし、グループレッスンに参加するのが難しいワンちゃんの場合は、ご自宅に出張して個別(プライベート)レッスンを行うこともできますので、ご家族の皆さん、一緒にがんばりましょう♪







